NtInsight® は、金融リスク管理ソフトウェアパッケージ製品群として、現在と将来における金融リスク管理業務の高度なニーズに柔軟に且つ即座に応えるようデザインされています。
日々のファンディングと投資計画シミュレーション
NtInsight は、時間軸に沿って日次シミュレーションを行ないます。VaR 算出に際してはリスクホライズン時点の時価を計算すれば事足ります。しかしながら、ALM 目的の場合には、複数の会計期間に亘るポートフォリオの変化を考慮する必要があり、その為には、日々のファンディング、決済処理、投資計画をシミュレーション上織り込むことが必要になってきます。さらに、資金不足やリスクリミットの超過といった非現実的な事象を避けるために、各勘定科目別残高をフォローする仕組みが求められます。当然のことながら、これらを実現するためには、単純な市場、信用VaR の計算と比較してより多くの計算量が求められます。
このような複雑で膨大な計算量を必要とするシミュレーションでも、NtInsight であれば、その問題を全て解決してくれます。
包括的なリスク計算
NtInsight はVaR や tail-VaR(或いはexpected shortfall、conditional VaR、expected tail loss)だけでなく、それらの限界概念であるmarginal VaR 、marginal tail-VaR といったリスク指標も同時に計算します。
NtInsight は、さらに各リスク成分に対するVaR の偏微分係数に当たるComponent VaR も計算します。これによって、リスク要因別、例えば、通貨、金利、株式、および信用といった種類別に分解されたリスク量を確認することが出来ます。この指標によって多面的観点から、ポートフォリオのリスクを評価することができます。
NtInsight では、リスクコントリビューションも計算可能です。これにより、各ポートフォリオセグメント、例えば、ビジネスユニット、地域、債務者といった構成要素別の配賦されたリスク量が計算可能です。
ファット・テールリスクの認識
ファット・テールリスクの評価はVaR 計算において直面する最も大きな課題の一つです。Fat-tail は、正規分布と比較して非常に高い尖度を表し、分析には異なる統計手法を必要とします。ポートフォリオモデリングの際に正規分布だけを使用するシステムは、ファット・テールリスクを軽視する事になり、欠陥のあるVaR 計算を行う事となります。
Fat-tail分析におけるNtInsight のひとつの解決策としてJohnson SU 分布の実装が挙げられます。Black-swan に象徴される将来イベントの備えとしてご利用ください。
OLAP
NtInsight を使うことによって、ポートフォリオのリスクプロファイルの鳥瞰図を描くことが出来ます。また、ポートフォリオ全体だけでなく、任意のセグメントのリスクプロファイルも同時に分析可能です。つまり、ビジネスユニット、地域、産業、あるいはその他、事前に規定されたセグメント属性であれば如何なる切り口にも対応する柔軟性を持っています。リスクの詳細を確認するには、分析したいオブジェクトをクリックするだけです。NtInsight のドリルダウン機能によって構成要素の閲覧が可能になります。ドリルダウンは、企業のポートフォリオのトップ構造から、セグメント、各取引、最終レベルとしてはキャッシュ・フローの段階まで幅広い次元で利用でき、クライアントパソコンからのGUI操作だけで瞬時にその結果が表示されます。
統合された相関リスク
NtInsight は統合VaR、即ち、市場リスク、信用リスクに関するリスクファクター間の相関を考慮した上でのVaR算出を行うことが出来る金融リスク管理ソフトウェアパッケージです。このようなリスク管理とリスク計算における統合的なアプローチによって、リスクエクスポージャーの包括的な分析が可能となり、全体のリスクの過小評価を防ぐ事が可能になります。
債務者相関
典型的には、債務者のリスクプロファイルは、国、産業あるいは株価指数に関連づけられて記述されます。NtInsight ではこの機能を拡張し柔軟性を持たせています。データ設定次第で、経済指標をリンク対象として設定することさえ可能です。また、NtInsight にはグループ企業間の相関構造を記述するための機能が備わっています。この機能によって、資本関係や親密な取引関係がある企業間において存在する、より強い相関関係についてシミュレーション上表現することが可能です。