当社の強みは革新的で高度な技術を用いた金融リスク管理ソフトウェアパッケージ製品を自社開発している事です。HPC (high performance computing) やRNG (乱数生成)といった分野での継続的な研究が長年競合相手に勝ってきた理由であり、数多くの国内大手金融機関に金融リスク管理ソフトウェアパッケージ製品としてNtInsight® を選んでいただいている理由です。これまでの当社のHPCへの取組みや調査研究レポートはこちらをご覧下さい。
Awards
Asia Risk Technology Rankings 2014
Best Innovative Specialist Vendor部門3位授賞
Asia Risk Technology Rankings 2013
Best Innovative Specialist Vendor部門1位授賞
Large-Scale Data and High Performance Computing
High performance computing (HPC) は金融工学の分野で広く応用されています。特にオプションプライシング、証券とデリバティブの評価、そして金融リスク管理の分野で顕著です。Large-Scale Data を有用な情報に変換するニーズは、それらの情報をより高速に生成するニーズと一体となり、金融業界でのHPC のニーズを押し上げています。
NtInsight for ALM は効果的な並列処理システムやプラットフォームを活かす最適化設計された数少ない金融リスク管理ソフトウェアの一つです。大規模なLinux とWindows ベースのクラスターコンピューティング環境をまさに完璧に活用できるよう設計されてきました。それにより複雑化する計算や、住宅ローンや保険契約等、処理する対象データがLarge-Scale Data 化する中、業務の要請に合わせた最適なシステム規模での運用を可能にしました。NtInsight for ALM では以下の事が可能です。
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ビジネスに不可欠な情報をLarge-Scale Data から即座に、そして精確に入手。
NtInsight for ALM は、HPC 技術と併用すれば1 回のシミュレーションに付き、数億もの取引を処理する事ができる優秀な解析ツールを備えています。
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コンピューティング技術の進歩を活用。
NtInsight for ALM は、クラスターコンピューティング環境で複数のプロセッサやノードを管理する事ができます。追加でハードウェアに投資した場合、NtInsight for ALM は拡充した環境に対応し、更に飛躍的なパフォーマンスの向上が期待できます。
NtInsight for ALM’s Performance on TSUBAME
クラスターコンピューティング環境上でのNtInsight for ALM のスケーラビリティは、当社顧客のクラスターコンピューティング環境だけでなく、 TOP500 Supercomputer Sitesのランキング上世界でも有数のスーパーコンピューターの一つとして認知されているTSUBAMEでも証明されています。
Dataset | |
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Number of instruments | 3,400,000 |
Cash flows | 500,000,000 |
Transactions | 4,400,000,000/scenario |
Counterparties | 200,000 |
Simulation periods | 3 years on a daily basis |
Server size | 135 nodes or 2,160 cores |
Accounting rule | Mark to Market |
乱数生成
金融機関全体のポートフォリオに対する大規模なリスクシミュレーションには高精度の疑似乱数生成アルゴリズムが必要不可欠です。そのような高精度の疑似乱数生成器の最右翼がメルセンヌ・ツイスタです。1997 年に松本眞教授により開発されたメルセンヌ・ツイスタは219937-1 という長い周期と623 次元に均等分布するという特性から、現在高精度乱数生成器の事実上の業界標準となっています。
当社はメルセンヌ・ツイスタ開発時から松本眞教授の協力を仰ぎ、当初よりメルセンヌ・ツイスタを使用したリスク管理アプリケーションを提供しております。そして現在のNtInsight シリーズにもメルセンヌ・ツイスタを採用しております。当社は同様にメルセンヌ・ツイスタを基にした乱数生成Microsoft Excel アドインNtRand® を制作し、メルセンヌ・ツイスタの金融界・科学分野でのスタンダード化へ貢献しております。
モンテカルロシミュレーション
市場リスク計測におけるユーザーの悩みの一つとして、教科書的なアルゴリズム、例えばコレスキー分解のような手法を適用して行列の分解操作をした場合に、しばしば実際の市場時系列データから計算される相関行列の分解操作が失敗してしまうという点があります。
このエラーは、計算結果を無意味にするばかりでなく、ブラックボックス化したシステムを使っている場合には問題の特定を困難にしてしまいます。また、この場合は、VaR を著しく過小評価してしまう危険性を引き起こします。当社は、これらの問題の可能性について十分に理解しており、そういった問題を引き起こさないように適切な数値演算手法を選択適用しています。